4月9日 (土)  カブールさんとの再会

エルネスト・カブールさんと言えば、世界中のボリビア音楽ファンに敬愛されているチャランゴの巨匠中の巨匠で、僕も97年にラパスで開催された第1回国際チャランゴフェスティバルに招待されて以来ずっと、個人レッスンや呑み会など色々な場面で親しくさせてもらっています。そのカブールさんの自宅で昨日7ヶ月ぶりに再会して少しほっとしたところです。と言うのも、レギュラー出演しているペーニャ「マルカタンボ」にここ半年ずっと姿を現さなかったせいか、ボリビア音楽界全体にカブールさんの「重病説」がはびこっていたからなのです。まあ根拠のない噂ばかりが広がる狭いボリビア社会でそれを鵜呑みにするのは危険だと分かっていたので、今回もそれほど信じていなかったのですが、やはり元気なご本人に会って安心しました。氏によれば昨年少し高血圧気味でコチャバンバに休養に行っていた以外はいたって健康で、昨年末はドイツ公演、そして今年半ばにはブラジル公演なども控え、演奏活動の方も決して中断しているわけではないとのこと。マエストロは昨夜も自分で発明したダブルチャランゴ(調弦の異なる2つのチャランゴをくっつけたもの)を取り出して、嬉しそうにじゃらじゃらかき鳴らしていました。その顔はまるで新しいおもちゃを手にした子供のように純真なのです。ああこの人は本当にチャランゴのために生まれてきたんだ、とまで思いました。カブールさんから直接間接に学びうる事は今後も無限のように思いますが、これからもますます元気で活躍して行ってほしいものです。