2月14日 (火)  ボリビアにやって来て

5ヶ月ぶりにボリビア・ラパスに来てもうすぐ1週間になります。前々からこちらの友人らに聞いていた通り今年は特に雨が多く、午後からの外出は「危険」なくらいの集中豪雨が毎日のように降ります。一昨日の夜には大粒のひょうが激しく降り、洪水地域のレスキューにあたっていた市役所の職員が一人河に流されて亡くなりました。その方というのが僕の今(というかいつも)ホームステイさせてもらっている友人一家の長女の上司で、しかも共に救助活動を行なっていた目先での悲劇だったので話も生々しかったです。自然の脅威は世界中どこでも同じでしょうが、特にこういう途上国では防災対策やインフラ整備が遅れていることを痛感させられます。

さて今回は4月6日までちょうど2ヶ月のボリビア滞在ですが、主な目的は大御所シンガーソングライター、ハイメ・フナーロとの新作レコーディングです。ハイメ・フナーロはこの国のヌエバ・カンシオン(70年代の軍事独裁期から盛んになったいわゆる「社会派」の音楽)の重鎮で、70年代に伝説のグループ、サビア・ヌエバを弟のセサルらと結成し、その後90年代になるとソロ歌手として独立、ここ数年は家庭の事情でパリに住んで創作活動に励んでいます。でもやはりレコーディングともなると故郷のボリビアが一番のようで、今回も数ヶ月の期間ラパスに滞在しています。考えれば僕と同じような境遇?

その新作ですが、歌とギターだけのデモはハイメ自身の手で仕上がっており、現在アレンジ(編曲)を僕とセサル・フナーロ氏、そしてギタリストのファン・カルロス・コルデーロ氏の3人で手分けしてやっている最中です。音楽性の異なる3人のアレンジャーによる作品(しかも僕以外の2人はマエストロ級!)というだけでハイメさん自身は楽しみなようですが、なんせ時間が限られているので焦らず、しかしそれなりにペースを気にしながら進めていこうと思っています。多分3〜4月にレコーディングが終了し、市場に出るのは(日本でいう)夏頃、発表記念コンサートもその頃になりそうです。個人的には、ハイメ・フナーロの昔からの熱心な1ファンでもあり、また2001年からはギター&チャランゴ奏者に起用されていたという経緯もあるので、雲の上の存在だった人と一緒にレコーディングできるのは光栄極まりないこと、歴史に残る作品を作ろうとはりきっているところです。とりあえずはまた!(今度は政治・社会のことでも書こうかな。)