5月9日 (火)  タクシーの運転手さん

今夜帰りが遅かったので最寄の津田沼駅からタクシーに乗ったところ、鏡に映った50歳前後と思われる運転手さんのミッキー吉野(古い?)のような顔つきと、白いあご髭やガニマタ、加えてあの時間帯にしてはやたら愛想がいい感じに、ほろ酔い加減だった僕はふと真剣になってしまい「ひょっとして音楽お好きですか?」と話しかけてしまいました。すると運転手さんは「えー、なんで分かったんですか!?」とびっくりされた様子。「実はプロで歌ってるんですよ、ジャズが主だけどフォーク系もやってます」。なんか同じような空気を感じたと伝えると、それはとても喜んでくれました。ワンメーターだけの車中でのこと、結局は互いの名も伝えずに車を降りたのですが、まあそういう出会いだって素敵なもんですね。

そうそう、少し前に知人の牛タンレストランで、となりのテーブルのサラリーマンのグループに乗せられて持っていたチャランゴで1曲やったんですが、演奏後サラリーマンらは「すごいパワーですねー、会社にお勤めの傍らで音楽もバリバリやるなんて」。「いやいや実は・・・」と言いかけた時、@場所が神田のビジネス街のど真ん中だった、Aたまたま他の所用でネクタイ&スーツ姿だった、ことを思い出し、なんかおかしくなりました。日本の「ミュージシャン」はいかにもといったような仙人風(?)の風貌の方が多いですが、ボリビアの演奏者は総じてフツーのおっちゃんです。皆さんご存知のとおり自分も20年前からずっと同じ単純な髪型!でもミュージシャンとしてのスピリットは1日25時間持ち続けているつもり。そしてあの運転手さんのように、音楽を演奏している時以外にも「音楽」を感じさせられる人こそが「あこがれ」です。