月日のうつろひ 2005. 9
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9月23日 (金)  関西3ライブから帰って

この9月14日(水)にボリビアから帰ってきました。今回はたった2週間の、しかしとてもあわただしい滞在だったので帰国後の逆カルチャーショック(?、どっちが「逆」なのか分からないが。)もほとんどなく、そして時差ボケがどうのこうの言う間もないまま3日後の17日には大阪(昼)と神戸(夜)で、18日(日)は京都でCD「チャランゴ巡礼」発表記念ライブでした。このお披露目コンサート、大々的には東京で年内早めに開催しようと現在準備中なので、首都圏の方々には今しばらくお待ちいただきたく思います。

さて、自分の出身地でもある関西での日本初のCD記念リサイタル、1日目の大阪「プカソンコ」では新しいファンの方々に加えて当時お世話になっていた先輩演奏者の人達もかけつけて下さいました。アンコールでは80年代に創立し活動していたグループ「タンタナクイ(もちろん今も健在)」の井上暁氏(ケーナ)と近藤眞人氏(ギター)にも飛び入りで加わっていただきました。

また、今回の3ライブではカサ・デ・ラ・パパ店員でもある近藤氏のご紹介で、大阪の大学生で新進気鋭の神田哲拓さんにもケーナとサンポーニャで特別出演をしてもらいました。その際に気付いたのですが、僕とギターの犬伏氏とこの神田さんは、なんとちょうど10歳ずつ年齢が離れているのです!僕が大学生の頃に年長者に生意気な口を聞いたり音楽論とやらを振りかざしていたことを思うと、今の大学生はなんて人間がデキてるんだ、と思ったりもしましたが、まあきっと人それぞれなのでしょうね。関西にも確実に若い才能が育っていることを嬉しく実感しました。

1日目夜の神戸は、昼間の大阪の疲れが残っている中なんとかステージを乗り切り、その後打ち上げもそこそこに爆睡!やはりここで「時差ボケ」を我慢していたツケが出たようです。この神戸ライブは、鈴蘭台で串カツ屋「大吉」をやっている大学時代からの仲間、松本隆氏ご夫妻のおかげで、同店のならびにある特設ギャラリーで実現しました。松本氏は神戸でひっぱりだこの「グルーポ・ゆい」でもギターを弾いていますが、この日もアンコール+アルコールでエプロン姿で飛び入り(写真・左下)!こういうところが各地のライブでの予期せぬ楽しみでもあります。

さて翌18日の京都は、雰囲気はうって変わりクラシックの有名アーティストが常時演奏している名所トルヴェール・サロンHIROSEとあって、やや緊張気味な中、それでも耳の肥えたお客さんにもボリビアの空気を十分感じ取っていただけたように思いました(写真・右下)。合唱指揮者として世界的に活躍なさっている廣瀬義彦先生のご自宅を改造したこの会場、クラシック以外では初の試みだったらしいですが、音楽が与える感動にクラシックやポピュラーという垣根はない、ということが実感できました。この京都コンサートでは、小学校時代からのギターの恩師である松永洋三先生も来られました。思えば少年時代、先生のギター教室兼ご自宅は僕に大きな安らぎを与えてくれた場で、それに何よりもそこでチャランゴという楽器にお目にかからなかったら今の(チャランゴ奏者としての)自分は存在しなかったのです・・・。

2日間の関西ライブを通じて、本当に有難いことにご来場下さったほとんどの方が新作「チャランゴ巡礼」をお求めになられました!またご意見などお待ちしております。応援いただきありがとうございました。

↓神戸・大吉ギャラリー(17日) ↓京都・トルヴェール・サロン(18日)

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9月11日 (日)  ラパスでのCD「チャランゴ巡礼」発表記念コンサート(2)

さて、第2夜である9月10日(土)の様子をお伝えしましょう。この日は土曜ということもあって定時になっても客足はイマイチと感じたのもつかの間、20時前にはやはり前夜同様満員となり、これで2夜合計で約400人の方々に聴きに来ていただいたことになります。やはりTVでの宣伝効果は抜群で、自分の演奏を初めて聴くお客さんもたくさん来られていました。TV局カナル21のカメラは前夜のコンサートをすべて収録し、僕自身が知る限り、11日(日)には朝晩2回にわたってコンサートの全てが全国ネットで放映されました。

2夜目はこの日のためにかけつけて下さったチャランゴの巨匠エルネスト・カブール氏がお祝いの言葉をステージで述べて下さり、個人的には最初からすっかり高潮した気分でコンサートが開始されました。また途中、僕の録音制作スタジオ(PROAUDIO)社長のオスカル・ガルシア氏(ウカマウ映画など多くの映画音楽を作っているボリビア現代音楽界の大御所)もステージで祝辞を述べてくれました。

演奏の方は個人的には前夜より更に落ち着いた雰囲気で演奏できたように思います。この日ボンボで見事なチャカレーラをレコーディングしてくれたルイス・ギリェン氏は、7年前にルス・デル・アンデで来日公演した際に僕と東京の屋台で朝9時まで呑んだことをステージでも語ってくれ、お客さんも大爆笑!ちなみにルイス氏が使用する予定の楽器がこの日までに調達出来ず、なんとコンサート2時間前に街の楽器屋さんに行って無料で貸してもらいました。こういう危機に迫った時、ボリビアの人達は本当に親切にしてくれます。

またピアノのダニーロ・ロハス氏(20世紀ボリビア音楽最高の作曲家のひとりヒルベルト・ロハス氏の息子)は、同じ日に開催されていたジャズ・フェスティバルでの演奏が終わってからタクシーでぎりぎりにかけつけてくれ、CDにはない「ニーニャ・カンバ」をジャズ風に、またCDに収録されている「忘れがたきラパス」を、いずれもチャランゴとのかけあいで見事なノリで演奏してくれました。サンポーニャのアレハンドロ・アラルコン氏は若いけれど実力はボリビアでもトップクラスで、ルミリャフタやハチャ・マリュクなどこれまでに在籍した1流グループでの経験を活かした余裕ある演奏でアンサンブルに華を添えてくれました。カレーが大好物な彼は数年前の来日公演の際「CoCo壱番」で20倍カレーを平らげ無料になったという特異な「経歴」をステージで話してくれました。

この日のアンコールは、楽屋で直前にみんなで決めた「エル・エンクエントロ(出会い)」。実は日本でもよく演奏されるこの曲の共作者は日系人のホルヘ小森さん。会場が作曲者ともゆかりの深い日本人会館ということもありこれ以上の選曲はありませんでした。ロランドのケーナとアレハンドロのサンポーニャが絶妙にからみあい、またチェロのウィリーのいぶし銀のような音色がそれを支える・・・、もう言葉では表せないほどの夢のようなセッションでした。

17ヵ月に及んだCD制作、2週間にわたるコンサート準備期間、そしてこの2日間のコンサートの疲れで終演後の記憶はあまり定かではないのですが、とにかく「完全燃焼」であったことは間違いないようです。今回は日本でもライブなどが早々に入っているのでこの日の演奏が終わったら2日後にボリビアを発たねばなりませんでしたが、次回来た際にはぜひボリビア各地でも同じ編成で演奏したい、つまり新たな「チャランゴ巡礼」を繰り広げたいという「野望」が早くも湧いてきています。でもまずはこのCD作品がボリビアで、そしてこれから日本でどのように受け止められるのか、いまはどきどきしている段階なのです。
(「フォトギャラリー」コーナーにも写真あります。)

↓ロランド・エンシーナス(ケーナ、右)と。↓会場の雰囲気。

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9月10日 (土)  ラパスでのCD「チャランゴ巡礼」発表記念コンサート(1)

昨夜9月9日(金)は新作CD「チャランゴ巡礼」発表コンサートの第1夜でした。会場をラパス中心街にある日本人会館ホールに選んだのは今回のコンサートが在ボリビア日本大使館主催の「日本文化月間イベント」のトリとして協賛を受けたことに加え、ラパスでは最新の音響・照明機材を有している数少ない優れたテアトロであることからです。

さて、初日ということもあり準備などに若干の不安は感じられたものの、各テレビ局への出演などでPRも十分だったので定時の19時半すぎにはお客さんはいっぱいになり、結局170席ほどの椅子は足らなくなり追加して200人以上の超満員となりました。冒頭で大使館を代表して中村参事官にご挨拶いただき、その後は僕によるMCを各曲の間にはさんで曲により共演者が入れ替わりするという構成。出演はレコーディングに参加したメンバー達ということでしたが、この日はピアノのダニーロ・ロハス氏とボンボのルイス・ギリェン氏が他の演奏会の先約があったため欠場、しかし会場の熱気も手伝って、最後のアンコールでは総立ちの盛況となり、本当に嬉しい想い出となりました。

レコーディングでキューバのクラシック曲「11月のある日」を弾いてくれたチェロ奏者のウィリー・ベラルデ氏とのドゥオは珍しい編成ということもあり、反響も大きく感じました。また、当初予定していなかったCD外の曲「ブエノスアイレスの夏(ピアソラ)」なども、すでに何年も前からギターのファン・カルロス・コルデーロ氏とは合奏しているので急遽ステージ上で演ることとなり、アドリブ性にも満ちたスリリングな体験が出来ました。またケーナの名手ロランド・エンシーナス氏はこの日たまたま仕事で赴いていたティワナク遺跡からぎりぎりの時間にかけつけてくれ、いつもながらの名演で喝采を浴びていました。ラパスに1年間チャランゴ留学している若干23歳の日本人チャランゴ奏者桑原氏にも何曲か第2チャランゴを弾いてもらいましたが、彼も落ち着きのある演奏で盛り上げてくれました。この後は、メンバー何人かとキューバ料理で軽く打ち上げ、翌日に備えて午前様を越えたところでお開きになりました。
(「フォトギャラリー」コーナーにも写真あります。)

↓ファン・カルロス・コルデーロ(g)と。 ↓ウィリー・ベラルデ(チェロ)と。

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9月9日 (金)  いよいよラパスでコンサート!

スケジュールにあるように、今日明日といよいよ新作CD”チャランゴ巡礼”のお披露目コンサートです!2日間で何百人来てもらえるか想像もつきませんが、この10日間以上、朝から晩までテレビ出演などでプロモーションもばっちり出来たので(おかげで夜は呑み歩くこともなく早寝早起・・・)、今晩が楽しみです。また、こちらに来てから注文したCDのブックレット(オールカラー24頁!)も昨日印刷会社で無事に受け取り、今目の前に山積みにされた組み立てほやほやの大量の新作を見て、しみじみした思いです。街中の商店街でも、昨日テレビで観たよ、コンサート頑張ってね!と声をかけられたりで、ボリビアのみんながついていてくれると思えば、不思議とエネルギーが湧いて来ました。とりあえずはその結果、また報告します。


9月1日 (木)  3ヶ月ぶりのラパス

3日前に3ヶ月ぶりにボリビア・ラパスにやって来ました(戻って来ました?)。今年から日本に実生活の拠点をシフトしている事情から、今回の滞在はなんとたった2週間!こんなことは学生時代以来です。だからさすがに毎日朝から晩まで息のつく間もないほど(本当に)忙しいです。今回の目的はオンリー、CDの発表コンサートを来週の金土(9月9、10日)に行うので、そのためのリハーサルやら、こちらで完成させるブックレットの印刷やらで頭がいっぱいの状態。そんな中、昨日8月31日に「ウン10代」最後の誕生日を迎えました。歌手ダビー・ポルティーリョさんの家(豪邸!)でカルロス・ポンセ(サンポーニャ奏者)さんなど何人かの親しい友人にお祝いしてもらい、朝3時までえらく真面目に音楽談義!いつもはこういうメンバーで集まるとみんな楽器を持って来て延々と演奏が続き、また酒の量もハンパじゃないのですが、昨夜はちょっと雰囲気が違い良い思い出になりました。まあ、無事滞在の目的が達成できるよう今は頑張るのみです。


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