月日のうつろひ 2006. 1
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1月30日 (月)  「ボリビア音楽直送便」を聴いて

昨日の29日、ベビエルネス・ドルミンゴという期間限定ユニットのライブを昼夜はしごして聴いてきました。4人はいずれもラパスに長期滞在し音楽を通じて知り合った仲間同士。一時期僕も同じ下宿に住んでいたので、まさに同じ釜のメシを食べた者として再会に期待も膨らむものがありました。

そして結果は・・・、一言で言って質量ともに超満足したライブでした!特に夜の演奏は、お客さんと一体になったボリビアのペーニャを彷彿とさせるステージ。実際に暮らしたボリビアの音楽や文化一般(踊りから酒まで含む)にたいする自然な探究心からたどりついた演奏力の高さは現時点でも目をみはるものがあります。今後は、身にしみついているボリビア音楽を自らのオリジナルな表現手法として芸術性豊かなものに発展・昇華させて行くことが望まれており、それも楽しみなところです。

独白すれば、また誤解を恐れずに言えば、一昔もふた昔も前にボリビアで「音楽修行」した人たち(僕はその中では中間くらいの世代?なのかな)は、まだそれほど日本人の音楽滞在や南米個人旅行自体が一般的でない時代だったのか、あらゆる意味で肩がはっていたような記憶があります。そして「本場ボリビアにて音楽活動」という肩書きが、日本ではその内実性を問われることなく無条件に重宝された時代でした。

あれから20年近く経ち、渡航がずっと手軽になり、また若者の進路も多様化された新しい時代にボリビアでのびのびと研鑚を重ねたベビエルネスの「新世代」4人は、グループの中での人間関係の良さもさることながら、昔よりもずっと等身大でボリビアという国やボリビア人、そしてその音楽に接しているのでしょう。(もちろん僕自身のスタンスも常にそうであり続けたいと思っています。)それだけに、「ボリビア音楽直送便」というこのグループのキャッチフレーズは大げさでもなんでもなく、この日本で全身で感じることのできた正真正銘ホンモノの「ボリビア」でした。
(同グループのサイト↓)
http://www.geocities.jp/llajwita/

ベビエルネス・ドルミンゴ、途中お客さんのティンク舞踊も入って。↓


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1月24日 (火)  合同ライブ「チャランゴ新世代」を終えて

おととい22日(日)、東京は六本木ボデギータで主として20〜30歳代の若手チャランゴ奏者が一堂に会す「チャランゴ新世代」というライブを敢行しました。このライブを企画したのは、今からちょうど1年少し前に同じ会場でベテラン・チャランゴ奏者を集めた「チャランゴの集い」という催しがあったのですが、その時に、今まで名前こそ知られていないものの若い世代に有望な素晴らしい弾き手がいるに違いない、と思ったことが始まりでした。今回は出演若手チャランゴ奏者が9人、しかもうち5人が女性という、これもまた、かつては男性中心であった「フォルクローレ」界における時代の流れを反映させるものでした。

このライブについては後日詳細な写真つきレポートを作成して世に記録を残しておこうと思っていますが、演奏と人的交流という2つの大目的は十二分に達成できた、非常に意義深い催しとなったことを先に述べておきます。演奏について言えば、確かにベテラン・チャランゴ奏者に比べれば「ステージ栄え」や「スタイルの主張性」という点では未開花の部分が見られるものの、技術的には何ら見劣り(聞き劣り)のするものではなく、末恐ろしい人材ばかりが育っていることが確認できました。意欲あふれるオリジナル曲も散見されましたが、スタンダードな名曲においてもそれぞれの個性が光っており、今後各自がいかに自分のスタイルを定めてひとり立ちしていくかが注目されます。

僕自身は、今から13年ほど前に東京で初めて開催されたベテラン・チャランゴ奏者の集まりである「マウロ・ヌニェス記念コンサート」に出演した当時は「最年少ソロ奏者」であったのに、今こうして自分よりもひと回り以上も若い人たちの会を主催するという立場になるとは・・・、などと感慨深い思いにもなりました。そういえば北島三郎が最近異なる局のバラエティ番組で、ある同じことを述べていました。それは「年下にこそライバルを作るべきだ、先輩にライバルを作っても意味がない、向こうは先にいっちゃうんだから」。実に含蓄のある言葉ですね。今回の合同ライブはそういう意味でも自分にとって良い刺激となりました。そして、これからも集まる機会を増やして日本のチャランゴ界をみんなで発展させて行きたいと改めて誓った、重要な機会でもありました。

保坂幸恵氏↓            三ツ木伸悟氏↓

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