月日のうつろひ 2006. 5
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5月22日 (月)  恵泉スプリングフェスタ

20日(土)に恵泉女学園大学の春のイベント「スプリング・フェスタ」のトリ行事として演奏に招かれました。昨年も実は2度ほどこの大学で演奏しましたが、今回はコンサートも出来る設備を擁する大ホールでの開催。4人では初顔合わせの僕たちのクワルテート・ボリビア(ボリビア4重奏団)、それに日本では珍しいペルー海岸地方の音楽と舞踊で活躍中のペーニャ・ハラナ(演奏)とアシ・エス・ミ・ティエラ(舞踊)が予定時間の2時間を折半する形で舞台を進めました。

クワルテート・ボリビアの方は僕と橋本仁氏(ケーナなど)、ホセ犬伏氏(ギター)という今までにも何度も合わせている3人に今回初めて菱本幸二氏(サンポーニャなど)が加わり、ボリビアものを中心に、比較的親しみやすい曲の間にもチャランゴソロや僕のコンセルティーナ(まだまだそう見せられるシロモノでないが珍しい楽器だったので紹介したかったのです。)をはさみ変化をつけました。菱本さんと橋本さんの笛の2重奏も素晴らしく、この日最高の聴きものとなったと思います。今回だけでは本当にもったいないので、このクワルテートでまた演奏の機会を作って行きたいと考えています。

一方のペーニャ・ハラナは、わいわいガヤガヤ楽しむといった彼らのポリシーにあるとおり、肩肘の張らないナチュナルな雰囲気の演奏で魅了してくれました。ペルー音楽といえば「コンドル・・・」ばかりがクローズアップされる中でそれとはまったく異なる黒人系、あるいはクリオーリャ系音楽に根強くこだわる姿勢には共感できます。アシ・エス・ミ・ティエラの2人組の踊りは、その地方ごとに変化に富んだきらびやかな衣装とともに、ペルー太平洋岸のさわやかな潮風を運んできてくれました。

演奏後一同は打ち上げで再び盛り上がりましたが、和気あいあいといった感じで同じラテンアメリカの音楽ながら異なるジャンルの「音楽人」同士が打ち解けた、これも舞台と同じくらい素敵な空間となりました。

(左上)クワルテート・ボリビア。(右上)ハラナ&アシ・エス・ミ・ティエラと一緒に。
(下)打ち上げを終えて。

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5月9日 (火)  タクシーの運転手さん

今夜帰りが遅かったので最寄の津田沼駅からタクシーに乗ったところ、鏡に映った50歳前後と思われる運転手さんのミッキー吉野(古い?)のような顔つきと、白いあご髭やガニマタ、加えてあの時間帯にしてはやたら愛想がいい感じに、ほろ酔い加減だった僕はふと真剣になってしまい「ひょっとして音楽お好きですか?」と話しかけてしまいました。すると運転手さんは「えー、なんで分かったんですか!?」とびっくりされた様子。「実はプロで歌ってるんですよ、ジャズが主だけどフォーク系もやってます」。なんか同じような空気を感じたと伝えると、それはとても喜んでくれました。ワンメーターだけの車中でのこと、結局は互いの名も伝えずに車を降りたのですが、まあそういう出会いだって素敵なもんですね。

そうそう、少し前に知人の牛タンレストランで、となりのテーブルのサラリーマンのグループに乗せられて持っていたチャランゴで1曲やったんですが、演奏後サラリーマンらは「すごいパワーですねー、会社にお勤めの傍らで音楽もバリバリやるなんて」。「いやいや実は・・・」と言いかけた時、@場所が神田のビジネス街のど真ん中だった、Aたまたま他の所用でネクタイ&スーツ姿だった、ことを思い出し、なんかおかしくなりました。日本の「ミュージシャン」はいかにもといったような仙人風(?)の風貌の方が多いですが、ボリビアの演奏者は総じてフツーのおっちゃんです。皆さんご存知のとおり自分も20年前からずっと同じ単純な髪型!でもミュージシャンとしてのスピリットは1日25時間持ち続けているつもり。そしてあの運転手さんのように、音楽を演奏している時以外にも「音楽」を感じさせられる人こそが「あこがれ」です。


5月1日 (月)  今どきの大学?

先月から都内のある大学で非常勤で教えています。スペイン語を週に4コマなのですが、いろんな意味で刺激的だったり感慨深かったりしています。大学の教壇に初めて立ったのは今から13年も前、その頃は学生とも4つか5つくらいしか年齢差がなかったので「陽気なおにーちゃん」と思われていたらしいですが、今日となっては学外ではどう見ても今流行りの「チョイ悪オヤジ」ならぬ「不良中年」。そういう顔が出ないようにしようと試みていますが、それも多分無理でしょう(笑)。大学は8年ぶりですが「教える」という感覚の戻りは案外早かったものの、やはり学生の変貌ぶりには驚かされますね。まあ僕が大学生の頃も教師連中は「近頃の○○は」と言っていたので、考えてみればみんなお互いさまなんですが。月並みな言い方ですが、そんな気持ちでお互い成長していければと思っています。


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