月日のうつろひ 2007. 1
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1月10日 (水)  2006年を振り返って

もう年が明けてしまいましたが、昨年2006年の主な音楽活動を簡単にレビューしたいと思います。

★まずソロ活動としての一番の思い出は、2005年9月ラパス(ボリビア)発表の新作ソロCD「チャランゴ巡礼(Charango Peregrino)」の日本での公式発表演奏会を2月5日(日)に四ツ谷のコア石響で行ったことです。駐日ボリビア大使館の全面協力を得て、90人ほどのお客さんの半分がラテンアメリカ各国の大使や大使館関係者などであったことも今までにないことで、MCも日本語とスペイン語のバイリンガルで行いました。その結果、演奏よりも話のほうが長くなってしまいました(笑)。共演に、いつもの犬伏青畝氏(ギター)に加えて、MAYAの橋本仁さん(ケーナ&サンポーニャ)と岡田浩安さん(ケーナ&サンポーニャ)、チェロ奏者の星衛さん、それにボリビア帰りの小松早百合さん(ヴァイオリン)や桑原健一氏(第2チャランゴ)も迎え、CDとほぼ同じ楽器編成で演奏できた貴重な機会だったと思います。

★7月14(金)〜17日(日)には久々に夏の北海道へ「チャランゴ巡礼」の発表も兼ねて遠征しました(札幌、美唄、江別の3公演)。ジンギスカンと生ビールの酔いで怒涛のようにこなしたスケジュール、何よりも北海道のみなさんのボリビア音楽にたいする熱い想いが伝わったのが嬉しかったです。

この北海道の時よりたびたび共演をするようになったのがギタリストの小林智詠さん。若干26才ながら音楽キャリアは20年、南米各国の音楽はもとよりフラメンコも自在にこなす小林氏のおかげで以後ライブのレパートリーにもよりバリエーションが増し、とても面白いものとなってきています。

★2006年の間にボリビアには、2月〜4月、8月〜9月の2度滞在しました。どちらも大ベテラン歌手のハイメ・フナーロ(現在パリ在住)の新作CD「Utopia(ユートピア)」の制作が主目的で、今回はアレンジも担当し良い経験となりました。初めて使うことになった音楽ソフト「シベリウス」の威力に驚きつつ、過去にアレンジしたことのなかったフルートやクラリネットなどにも挑戦、同じくアレンジを担当したやはり御大のセサル・フナーロさん(ハイメ氏の弟)の丁寧な指導のおかげでなんとか形になりました。もちろんチャランゴパートのレコーディングは僕自身が担当しました。なお、このCDは2007年初旬に発売予定となっています。

★10月7日(土)には10年ぶりにコスキン・エン・ハポン(福島県川俣町)に「KAGURAZAKA」のギター奏者として出場しました。このグループは友人の石野雅彦さん(チャランゴ)と稲沢健一さん(ケーナ)の3人で趣味的な雰囲気(?)で発足したばかりのものでしたが、それぞれ演奏経験も豊富なこともあって大きな舞台でも堂々たる演奏ができたように思います。川俣コスキンは演奏そのものも重要な目的ながら、全国の演奏仲間に再会できたり新しい友達に出会えるのが最大の魅力でしょう。この日本最大の南米音楽のフェスティバル、本当に長い間ご無沙汰だったので、これからはもっとまめに出場したいと思いました。

★日本の(とは言ってもまだ関東レベルですが)チャランゴ関係者の交流は、近年(2004年12月)の「第1回チャランゴの集い」以降急速に進んでいます、2006年もまず1月22日(日)に「チャランゴ新世代」と名づけた、若い世代のチャランゴ・ソロ奏者が一堂に会す合同ライブを主催しました(於・六本木ボデギータ)。確実に育っている新しい世代の奏者の才能には目をみはるものがありました。

また、11月12日(日)には「チャランゴの集い」の第2弾を主催しました(於・コア石響)。今回の出演チャランゴ奏者は、三ツ木伸悟、桑原健一、植月佳奈、富谷雅樹、トヨ草薙、保坂幸恵、福田大治(プログラム順、敬称略)でしたが、加えてスペシャルゲストとしてボリビアから来日中であった巨匠エルネスト・カブール氏と木下尊惇氏をお迎えしたことがビッグニュースとなりました。更に、当日の収益(計\299.524)は、カブールとならびボリビアチャランゴ界を代表する巨匠であり、数年前より病気療養中のウィリアム・エルネスト・センテーリャス氏にチャリティー基金として後日送られました。チャランゴ音楽への、そしてこの楽器を芸術楽器の域まで高めたマエストロへの敬愛が感じられた素晴らしい会となり、感無量でした。

★その他にも大小さまざまな場でコンサート・ライブの機会をいただきましたが、いつもの通りいろいろな場で素敵な方々に巡り会ったり、また懐かしい方々との再会などもあったりして音楽のやることの素晴らしさを実感した次第です。2007年もますます幅広い活動を予定していますので、みなさん今後ともよろしくお願いいたします!

PD;チャランゴの話ではないですが、2006年に起きた音楽上の重要な「事件」としては、16年ぶりにフラメンコギターを再開したことです!日本フラメンコ界の第一人者・三澤勝弘師匠に弟子入りし、目下特訓中。学生時代にあこがれていたような「超絶テク」には到底及びませんが、歳を重ねた分味わいの深い「ムイ・フラメンコ(とってもフラメンコ)」な演奏を目指しています。

(左上)2月5日のCD発表リサイタル、(右上)7月の江別(北海道)公演フィナーレ、(下)7月のとある日、東京のチャランギスタのみなさんとの交流会の一コマ

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