月日のうつろひ 2007. 7
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7月28日 (土)  第6回国際チャランゴフェスティバル(ボリビア)を終えて

この7月23日(月)〜27日(金)までボリビア共和国エルアルト市で開催された「第6回国際チャランゴフェスティバル(Encuentro Inrternacional del CHARANGO)」が無事終わりました。日本からは私の他に植月佳奈、桑原健一、鈴木龍の各氏が参加、その他、ボリビア国内からはもちろん、アルゼンチン、チリ、メキシコ、フランスなど世界中からプロ・アマ、老若男女問わずチャランゴ奏者や製作家たちが数多く集まり、標高4000mの冬のアンデス高地にもかかわらず、連夜のコンサート、チャランゴ展示会、講演会などでおおいに盛り上がりました。

今年のコンサートの印象としては、ベテラン・マエストロ勢は例年より少なく、各国ともどちらかといえば新進奏者の活躍が目立ちました。日本勢では鈴木さんが初日の23日に演奏、自作曲を含め無伴奏ソロのユニークなステージで拍手喝采でした。特に最後の曲のフェイドアウトでは椅子ごとステージ上をバックしたのが印象的でした。

一方、現在ボリビア長期滞在中の桑原さんは26日(木)に演奏(ギターは在ラパスのシンガー秋元広行氏)、その音色と表現力の素晴らしさに最初の数小節で客席からはためいきがもれていました。ステージ栄えも含め、今後日本のチャランゴ界を大きくリードしていってくれる人材になってくれることでしょう。

仙台在住の植月さんも同じ26日で、ギターは私が担当しました。無伴奏のカブール作曲「私のリャマ」に続いてドュオで自作のサンバ(アルヘンティーナ)。彼女はこのチャランゴ祭出場も3度目とあって、繊細かつ落ち着いた堂々たる演奏でした。東北でチャランゴ合同コンサートを主催するなど近年の活躍も目覚しい人です。

私はといえば最終夜の27日(金)に演奏、昔(83年)ライセス・インカスでも来日した旧友でアルゼンチンの巨匠ダニエル・ナバーロさんらと、彼の曲で私もCD録音した「インティ・ヤク」を共演!、またボリビアで長年共演しているギターの名手ファン・カルロス・コルデロさんらと「チュキサカへの道」など、思い出深いレパートリーを演奏しました。ダニエル・ナバーロさんは同じ日に出演しましたが、そちらでは私がギター伴奏、20年来の友情を再確認できました。

日本つながりといえば、70年代にアントニオ・パントーハのチャランゴで来日していて当時おなじみの奏者であったホルヘ・イマーニャ(ブエノスアイレス在住のボリビア人)さんや、82年にロス・ユンガスで来日したチャランゴ奏者ロドルフォ・アルタミラーノさん(アルゼンチン・フフイ州)も来ていて、年季の入った貫禄ある演奏をしてくれました。

最終夜に出演した他のマエストロは、御大エルネスト・カブール氏、サウル・カジェーハス氏(ラパス)、セレスティーノ・カンポ氏(ラパス)、ヘラルド・パレハ氏(ビジャ・セラーノ出身)、ペルーの名高い製作家でもあるフスト・バカ氏など、豪華絢爛な顔ぶれでした。

27日のコンサート終了後の閉会式で自分は、現役奏者最高位の認定状である「マエストロ・ディプロマ」をボリビア共和国政府とボリビアチャランゴ協会の名で授与されました。非ボリビア人演奏家ではチリのフレディ・トレアルバ氏(01年授与)に次いで2人目であり、また、このディプロマの審査が通るかは一か八かと思っていたので、幸運としかいいようがありません。今後は日本のみならず世界のチャランゴ界のためになすべきことが山積みであり、そのための新しい出発点に立った気持ちです。また、他の3人の日本人奏者は新進プロチャランゴ奏者の認定状「チャランギスタ・ディプロマ」の審査が通りました。

閉会式の後は夜通しで、国際色豊かな顔ぶれの出演者全員で大宴会!!こちらもフェスティバル最高の醍醐味です。日本からは距離などの問題もあってなかなか参加しにくいこのイベントですが、本当に意義深くまた心から楽しめるものなので次回(09年7月、ポトシ市開催予定)もみなさんの参加を期待しています。(ボリビア・ラパスにて)

※左、ダニエル・ナバーロ氏(インティ・ヤクの作曲者)、右、ラウル・ブスタマンテ氏、いずれもアルゼンチンの大ベテラン!なお、フェスティバルの他の写真もフォトギャラリーにあります。

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