月日のうつろひ 2010. 5
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5月30日 (日)  「第5回チャランゴの集い」終了!

「第5回チャランゴの集い」が先週の5月30日(日)に
おかげさまで無事終了しました!

このイベントは04年末に僕がボリビアから帰国した際に、
同志の石野雅彦氏とともに
「日本でなんとかチャランゴ音楽を根付かせるには、
まずはチャランゴ奏者同士の絆を作ることから始めなければ」
という熱い思いで同年の12月に始めたものです。

決して規模は大きくない非営利のこの催しが
ここまで続いているのも、
毎回ボランティアで演奏して下さっている
チャランゴ演奏家の方々に加え、
同じく手弁当で協力いただいているスタッフのみなさん、
そしていつも応援下さるお客さんのご支援あってこそのものです。

僕自身も、
まるで自分のこどもを育てるかのような気持ちで、
「集い」が年とともにすくすく成長してくれるのを
楽しみにしてもいます。

上に書いた「チャランゴ奏者の絆」という点ですが、
実はこのイベント、
ボリビアで2年毎に開催されている
SBC(ボリビアチャランゴ協会)主催の「国際チャランゴ
フェスティバル」の理念に多くを負っています。

1997年に同フェスの第1回に日本代表として、
今は亡き永遠のマエストロであり親友でもあった
開催委員長のウィリアム・センテーリャスさんからの
ご招待に甘えて参加した際、
センテーリャスさんのプレス会見での一言が
とても印象に残りました。

いわく「Los charanguistas no nos conocemos...
(われわれチャランゴ奏者同士の多くが知り合いでさえない)」。
要するにまずは演奏者同士で親交を深める、
それがイベント開催の最初の目的だと。
なんて奥深い言葉だと思いました。
しかも「チャランゴの本場中の本場」の国での発言だったので
意外でした。

で、第1回のフェスティバルでは南米を中心に多くの国から
1流どころが集まっていました。
実はこのフェスティバルの(参加者側からみた)一番の長所は、
期間中は演奏家はみんな同じホテルで食事もずっと一緒、
いわばまるで学生時代の合宿のような雰囲気で
人間関係を育めることです。

当然、参加者中一番の若造(←当時)で無名の東洋人奏者の
僕にとっては夢のような出会いばかりで、
しかもみんなやたら気さくな人達ばかり!!

初日こそ昼食時に僕含め「ボリビア人以外」の演奏家ばかりの
テーブルを見つけたエルネスト・カブールさんが、
「こらこら外人ばっかしで固まるんじゃないよ、
ほら君はあっちのテーブルに行きなさい!」という。
まあ非スペイン語圏の人間の僕にとっては、
南米の有名どころばかりに囲まれてハッピーだったのですが、
考えてみたらカブールさん、
参加者のみんなにすごい気を遣ってくれていたのです。
本当に素晴らしい。

・・・失礼、ちょっと日本の「集い」から話がそれました。

ともかくは、ボリビアの同フェスに数年後に参加した石野さんと、
なんとか日本でもそういうイベントが出来ないかと、
それが「チャランゴの集い」発足のきっかけとなったのです。

当初から「集い」を、技を点数化して競い合うコンクールにも、
はたまた他の出演者やお客さんみんなが眉間にしわを寄せて
厳しく聴き入るようなお固いコンサートイベントにも
したくはありませんでした。
だからイベントタイトルとしても「全日本〜」とかいう
呼称はあえて避けたのです。

演奏者・お客さんの間のリスペクトは保ちながらも
とにかくフランクで楽しいイベントにしたい、
演奏者と客席の距離がプログラムが進むにつれて
極めて自然に近くなるような・・・、
そういう雰囲気がベストです。

「集い」も5回目が終了した現在、
まだまだ不十分とは言え、
少なくとも首都圏在住のチャランゴ奏者の年代を超えた
貴重な人的・芸術的交流の大きなきかっけの役割は
果たしていると、自負しています。
数年前には「互いに知り合いでもなかった」チャランゴ奏者たちが
今は「集い」以外の機会でも声を掛け合い、
互いのライブで共演したり、互いのイベントを観に行ったり、
また時には酒を酌み交わす!、
こんなに素敵な関係が構築されているのです。

このような嬉しい状況の中で、
他方、今僕らが考えねばならないことも多々あります。

一番重要と思われるのは、
中南米畑を超えた「一般」の音楽ファンにも
十分アピールし得るような体制(PRから舞台づくりまで、
あらゆる面)、これをより整えていくことだと思います。

今回の「集い」では例年より集客に問題があったのですが、
こうした問題と同時に、
客席の多くがチャランゴや「フォルクローレ」関係者で
占められるのはそれなりに素晴らしいことだけれど、
それ以上にこの楽器の良さをアピールするには
やはり「フォルクローレ」以外の方々にも来ていただけて、
さらに音楽的に満足して帰っていただけるような工夫が
必要だと思っています。

「言うは易し行うは難し」、
今後も試行錯誤しつつもイベントをより良いものにして
行きたく思いますので、
みなさんからも色々意見よろしくお願いしますね!

PD;「第5回チャランゴの集い」に関して当日聴きに来て
下さった方々がブログに書いて下さっていますので
ぜひご覧ください!



http://blogs.dion.ne.jp/tepito/
(下北沢のメキシコ料理&ライブの名店「テピート」さんのブログ、5/30分。)

http://yoshioquena.cocolog-nifty.com/yoshio/2010/06/528-63-9251.html
(盟友でケーナ奏者YOSHIOさんのブログ。時に辛口であるが、
日本の芸術評論に関してもプロ級の方なので参考にすべき点多し。)


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