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アコーディオンについて教えて下さい。

アコーディオンについて教えて下さい。  -  hayashi
アコーディオンを始めたいのですが。フォルクローレに使われているもの、販売元、価格、入手方法など、アコーディオンについて知識のある方、御教授ください。

フォルクローレで使われるアコーディオン  -  Ishino
フォルクローレで使われるアコーディオンは、ヨーロッパで作られているものだそうで、イタリアのエキセルシアやドイツのホーナーのものが良いそうです。ベースの数は最低でも80、通常120くらいあるものが良く、さらに音色の変化するもので、値段は40万円以上のものが望ましいそうです。コチャバンバ・トキオの安岡さんが昔なじみの方のお店を紹介してくれます。小川町のお店だとか・・・。
ボリビアのフォルクローレでは、Hernan Rivera Unzuetaというアコーディオン演奏家のCD(LYRA CD+SLC-4001)が手に入ります。クエッカとかタキラリを演奏しています。さらに詳しいことをお聞きになりたいのでしたら、安岡さんに直接メールでお窺いすると良いと思います。メール・アドレスはcocha@COCHABAMBA.co.jpです。

前の記事のアコーディオンはどこの地域の物でしょうか?  -  齋藤征範 まう
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Hernan Rivera Unzuetaさんについては知りませんでした。
カブール氏の楽器辞典等によると、地域に残ってる色々なアコーディオンもあるようです。
一般のアコーディオンならベース4列が良いようです。トンボ印も良いよ。

地域についてはくわしくはわかりません。  -  Ishino
地域については漠然とボリビアということで、安岡さんから聞いた話を書いただけですので、くわしくはわかりません。おそらく、一般に・・・ということでしょう。Hernan Rivera Unzuetaは、サンタクルスやタリーハの系統ではないかと思われます。

MISTI の(一応)アコ弾き、佐藤です。  -  佐藤幹生
アコに関しては以下のWebページをぜひご一読下さい。特にこの下の「アコーディオン用語集」は、アコを選ぶにあたって非常に参考になります。
www.ipc.hiroshima-u.ac.jp/~cato/Acco.html
hayasi さんの住所、演奏されるジャンルによっても返事が変わってきますが、一応東京近郊在住、中部アンデス諸国(ボリビア、ペルー、エクアドル辺り)の曲を演奏する方を想定して話を進めます。

最低限の注意点。
アコはメーカーによって、音質・キータッチ・キーストロークの深さ・押したキーの戻るタイミング、などが相当に異なります。これらは実際に触れてみないとわかりません。好みに合わない楽器を買ってしまうと、あとが非常に悲惨ですので、アコを買う際は必ず実際に触れ、音を出してみて、気に入ったものを選んで下さい。絶対に、試奏させてくれない店で買ってはいけません。

次にサイズの選択。
右手鍵盤は一応41鍵が標準。多いの少ないの、各種あります。左手ベースボタンは一応120個が標準。これも多いの少ないの無いのと様々です。右手鍵盤、左手ボタンとも、音色を何種類か選べるものと選べないものがあります。当然、キーもボタンも音色も多い方が表現上なにかと有利ですが、それに比例して楽器自体がどんどん重く、扱いが非常に大変になります(持ち運びも含めて)。自分の体格、力、やりたい音楽などよく考え合わせて、サイズを選んで下さい。ちなみに41鍵120ベースのアコで、重さは11〜13kgくらいかな

メーカーについて。
国内メーカーではヤマハとトンボがアコを販売しています。トンボ楽器はショールームを持っており、様々な機種の楽器に実際に触れてみることができます。東京都荒川区西日暮里2-37-22、TEL:03-3802-2105
欧州メーカーでは Ishino さんが書かれている通り、エキセルシャーかホーナーが有名で、入手も容易です。それぞれの日本代理店は、
(エ)谷口楽器 東京都千代田区神田駿河台1-8 TEL 03-3291-2711
(ホ)モリダイラ楽器 東京都千代田区岩本町2-7-4 TEL 03-3862-5041
どちらも、請求すればカタログを送ってくれます。

個人的な印象ですが。
上記の中部アンデス諸国の場合、レコードジャケットや写真集などで見かけるアコは圧倒的にホーナー製が多く、エキセルシャーは少数派です。
音質からしても、エキセルシャーは澄んだ高音と強めのビブラートが特徴のミュゼット系の音で、フォルクローレで使うには『キレイすぎる』ような気がします。

ところで現在、世界のアコの大半は中国(特に上海)製です。ヤマハ・トンボ製品も下位機種はオール中国製、上位機種も部品の多くが中国製です。
中国ブランドのアコも輸入されており、楽器店めぐりをしていると時に見かけます。確かに品質は有名メーカーには劣りますが、値段が非常に安いので、特にメーカーにこだわりがなく、実際に触ってみて音とキータッチが気に入れば、リーズナブルな選択かと思います。私がふだん演奏に使っているものも、中国製、Bai-Le という銘のついたものです。37鍵、80ボタン(私は左手ボタン使えませんが)で6万円位だったと思います。かたや、有名メーカーのアコは数十万円のオーダーです。ホーナーの最高機種『ゴラ』は、450万円くらいだったような。

世界で1台、自分だけのアコを持ちたいという方に、耳寄り情報。上記モリダイラ楽器では、アコの組立キットなるものを扱っています。外装が木板なのですが、音穴を自分で開けるので、穴の形を自由にデザインでき、着色や装飾も自分好みに行えます。また、音穴の大きさ/形によって、若干音質も変化するようです。仕様、値段は忘れました。10万はしなかったと思いますが…興味のある方は問い合わせてみてください。

アコの修理、調律が必要なとき。
渡辺楽器店 東京都千代田区神田小川町3-1-6 TEL 03-3291-5954
大手の楽器店に修理を依頼しても、結局はこの店に回ってくるというアコの専門店。確かに店内には大手楽器店のラベルがついた修理中のアコがごろごろ。
中古品の販売もしており、私が初めてアコ(トンボの中古)を買ったのもこの店でした。
アコは高い楽器なので、まずは中古を買うというのも1つの手ですね。大手楽器店系列の中古楽器店、町の質屋さん、東京なら神田神保町のすずらん通り、などを捜すと、けっこう見つかるものです。あとは好みと値段で折り合いがつくかどうか。良い楽器をゲットされることを祈ります。おわり。

ちょっと訂正  -  同上
サイズというよりグレードですね。
それと上の記述、このグレードでこれ位の重さというのは、比較的入手しやすい、選べる音色が右手で4種、左手2種、程度の楽器を想定しています。音色の多い少ないによっても重さは大きく変わるので。
なお、鍵盤も全体の大きさも小振りで、重量も軽減させたレディースサイズの機種を用意しているメーカーもあります。

貴重な御意見有り難うございました。  -  hayashi
もう1つお尋ねしたいのですが、メロディオンタイプのディアトニックや、クロマチックのものは、フォルクローレには向かないのでしょうか。軽くて運びやすいのが魅力なのですが。教えていただけると幸いです。

あらら、そちらがご希望でしたか。  -  佐藤幹生
もちろん使われています。有名なバンドネオンはちょっとフォルクローレから外れるとしても、例えばアルゼンチンのチャマメなどで主役を張っているのは、大抵ダイアトニックのアコだと思います。Raul Barboza の演奏などはCDが日本盤(「キング・オブ・チャマメ」)も出ていますから、入手は容易でしょう。
中部アンデス地域でも、手のひらに乗るほど小さくて軽く、横からみると8角形をした concertina と呼ばれるタイプが estudiantina スタイルの楽団で時々使われます。どちらかというと少々古めかしい、20世紀半ば頃のスタイルですが。これを(一部で)使った比較的手に入りやすい音源としては、ボリビアの Kollamarka のLP/CD(タイトルは"Al Tawantinsuyo"…だったかな)があります。
ダイアトニックのアコには、鍵盤式にない何ともいえない味がありますね。ただ、私もコンセルティナを持ってはいますが、難しすぎて全く使いこなせていません。
あとは入手が問題ですね。コンセルティナを扱っているお店はそこそこありますが、ダイアトニックのアコを扱っているお店は捜すのが少々大変かもしれません。

まう です。  -  齋藤征範 まう
コンセルティナもタイプが色々あるそうで、ニフティの会議室でいろいろ勉強しました。
紹介して頂いたホームページにその教えて頂いたCocoさんのページにリンク出来、嬉しく思いました。ちょっと調べてみました。
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ボリビアのコンセルティナは、カブール氏の「ボリビアの楽器」と言う本のP199〜P204に、タブ譜?も含め解説されています。
クロマチック(chromatic。押引同音式)で、チャールズ・ホイートストン発明のイングリッシュ・コンサーティーナ。6列24キー×2
日本で売られてるのは別のタイプが多いようです。

ラパス〜オルーロ〜コチャバンバ(キラコーヨ)〜バジェグランデ辺りが、民族音楽として?まだ残ってるようですが、私の感じでは、奏者は年配が多く、失われつつある音楽と言う感じがします。

また「ボリビアの楽器」P376〜379にも蛇腹が出てきます。
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アコーディオン(アコルデオン)は5列ベースの物を良くみます。
案外高級なものですよね。コチャバンバやバジェグランデでチャコ戦争以降広まったようです。ヨーロッパ由来楽器。
チリ国の旧ZONA-CENTRAL地方やパラグアイ(リトラルでしたっけ?)でも使われます。

ダイアトニックアコーディオン(アコルドーラ)
コチャバンバ県のキラコーヨ、プナータ、トトーラ等の町の民謡(トナーダ)とサンタクルス県のバジェグランデやモロモーロで使われる。
「二列ダイアトニック」(2 Row Diatonic) 
右手のボタンが二列に並び、10−11の21ボタンがメロディー用で左手の4〜5×2列がベース等で使う様です。
パウロソプラニス製かホーナー製だそうです。
チリ国のチロエ地方の音楽でも使われるようです。
共に音楽を聞いてみたい物です。
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バンドネオン
アルゼンチンタンゴで使いますがサルタ州でフォルクローレに使っていた気がします。
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ペルーの蛇腹タイプと分布地域は私は知りません。
参考まで。  であであ。

ペルー(山岳地帯限定)の蛇腹について、少しだけ追加します。  -  佐藤 幹生
こちらはまうさんと違って印象のみによる記述で、全然学究的ではありませんが…
結論から言ってしまえば特に分布に偏りはなく、少なくとも町の音楽では、あらゆる地方で使われているのが聞かれ(見られ)ます。その町に楽器屋があってアコが手に入りさえすれば、進んで使っている、という印象を受けます。
プロの録音でも、アコを使うかどうかは、どの地方の曲かというより、曲の雰囲気、あるいはその時の演奏メンバーに弾く人間がいるかどうか、で決めているように思われます。
特に concertina は完全にプロの楽器という印象で、弾く人間が限定されるためか特定の楽団でしか使われておらず、民族楽器としての分布を云々するレベルではないように思われます。
唯一、プーノ地方の楽団(除:アウトクトナ)についてはアコがないと格好がつかないとみえて、ほぼ100%アコが入っています。非常に古い録音では concertina を入れているものもありますが。 以上。

プーノのコンセルティーナは知りませんでした。  -  齋藤征範 まう
ありがとうございます。
ボリビアでも使ってる人が少数でも20年定着すれば立派な伝統だと思います。案外そう言う楽器って多いですよね。
蛇腹系はボリビアでは段々珍しい楽器になって行くような、、

蛇足ですが初代ノルテポトシのビーマルチレはアコーディオンの先生でもあるんだそうです。   意外でしょ?!


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