ATAHUALPA YUPANQUI

アルゼンチンの歌手、ギタリスト、作詞・作曲家、フォルクローレの父。左利きなので、ギターも逆に構える。ケチュア、グアラニー語も解す。1908年1月30日、ブエノスアイレス州ペルガミーノ町に近い小さな町カンポ・デ・ラ・クルスの生まれ。父はそこの駅を守る人でサンティアーゴ州の出身のメスティーソ、母はスペインのバスク系。本名はエクトリ・ロベルト・チャベーロと言い、アタワルパ・ユパンキは、インカ皇帝の名に因んだもので「遠くから来た物語る人」という意。6歳の時、ヴァイオリンの手ほどきを受け、またギターをバウティスタ・アルミロンに学ぶ。9歳の時、父親がトゥクマン市の鉄道に配属になり、一家で移住する。その後父親が早逝したため、16歳のころから放浪をはじめ、各地でいろいろな仕事を経験した。1929年「インディオの小路」を発表し、音楽家としての名を挙げた。1935年からギタリスト兼歌手としてレコード録音をはじめ、1937年にはコルドバ州民謡祭のリーダーを務めた。1941年にトゥクマン州の文学賞を受賞。1950年にフランスに渡り(亡命)、活動を続けた。日本には1966、67,76年に来ている。晩年はパリに住み、ヨーロッパを中心に活動し、年に2回ほどアルゼンチンに戻ったりしていた。1992年5月3日逝去。