LOS CHASKAS
1967年7月16日結成のコチャバンバの4人組コンフント。ケチュア語で「明けの明星」の意。ボリビア音楽の「ネオ・フォルクローレ」の創世期を担った。当時の人気は現在のロス・カルカスをも凌ぐという。
結成当時のメンバーはペルシー・ペジード(Percy Bellid de la Vega/Voz, Bombo)、グアルベルト・バレンスエラ(Gualberto Valenzuela Pinedo/Guitarra)、リカルド・メンドーサ(Ricardo Mendoza/Quena)、バシリオ・ワラチ(Basilio Huarachi/charango)の4人。のち、リカルドに変わってルーカス・コンラディ(Lukas Conrady Vallejos/Quena)が、バシリオに変わってミゲル・イバーニャス(Miguel Miranda Ibañez/Charango)が参加する。このメンバーの75〜80年頃が彼らの黄金時代で、深みのある三声のコーラスで人々を魅了した。
参考資料:エルネスト河本 "ロス・チャスカス"(テイクオフ ロス・チャスカス エテルノス/TKF9701)解説。
<追記2024/9/28>
チャスカスの結成年については様々な説がある。
1962年(7月12日)とするもの
https://www.facebook.com/watch/?v=2060130994185687
https://www.historia.com.bo/1962/julio/12/fundacion-del-grupo-los-chaskas#google_vignette
1963年(7月22日)とするもの
https://www.facebook.com/watch/?v=1062503681413143
https://www.la-razon.com/la-revista/2013/04/04/el-folklore-de-los-chaskas-llega-a-los-50-con-2-recitales/
https://www.youtube.com/watch?v=8kYvN6Cw-7g
https://musicaandina2011.blogspot.com/2020/03/los-chaskas.html
1966年(7月22日)とするもの
https://www.facebook.com/story.php/?story_fbid=6361106533971499&id=879892192092988
https://dev-qa.la-razon.com/la-revista/2015/04/07/los-chaskas-tocan-gratis-en-el-teatro-municipal/
2000年のCD(DISCO-LANDIA,CD-LE-533,D.L.4-4-64-00)のライナーノーツも"Un dia 22 de julio de 1966"と書いてある
年は違えど、なぜか7月の末尾が2の日であることが共通している。そして結成の日はグループ名が決まった日であるとする説が有力のようだ。上記のサイトを要約すると、もともとは "Los Jovenes del Folklore"という名前で活動していたが、あるときラジオ出演することになり、バイクでTeatro al Aire Libreの会場に乗りつけた時、長髪がボサボサになっていたのを見て、ラジオ・メンデスの司会者の Micky JimenezがLOS CHASKASという名前を授けたという。なぜ長髪=Chaska(明けの明星)になるのかわからないが、ボリビアにはそういう比喩があるのだろうか。
上記を統合して解釈すると、1963年までにアマチュアグループとして活動をはじめ、1966年にCHAKASというグループ名で活動をし始めたと考えるのが合理的な気がする。
Fernando Rios氏の著書、『Panpipes & Ponchos』(2020年)にチャスカスの結成について書かれていたので紹介する。
1968年にLos Jairitas(小さなハイラス)のメンバーだったRicardo Mendoza(Quena)とBasilio Huarachi(charango)がPercy Bellido と Gualberto Valenzuela とともに結成。1969年には Miguel Ibañz が参加した。
1969年にコリセオ・セラードで、DJミッキー・ヒメネスのエル・ショー・デ・ロス・サバドス(ED、1969年8月16日)の6周年を記念した音楽祭の出演者リストには、ロス・チャスカスが含まれていた。
1970年代にはコチャバンバに活動の拠点を移し、ペーニャOllantayで頻繁にライブを行った。それにより多くのコチャバンバのフォルクローレグループに影響をあたえ、コチャバンバは1980年代にボリビアで最も人気のあるアンデス コンフントの多くにとっての本拠地となる。
Maria Antonieta Arauco M氏の著書『Los Jairas y el Trio Dominguez Favre Cavour, creadores del Neo Folklore (1966-1974)』(2011年)でも1968年の結成としている。
ファーストアルバムの発行年も不明である。1965年とするサイトが多いが、本当は1970年だったのではないかということを「フォルクローレの曲」内のアンデスの祭りの項目で考察している。