VIOLETA PARRA

チリの女性歌手件兼作詞・作曲家。1917年10月、チジャン市の近くのサン・カルロスに生まれる。父は音楽教師。家計が苦しく、ハイスクールも1年しか行けなかった。10代の頃から姉と2重唱を組み、レストランやバーを歌って歩いた。1938年、21歳で結婚、イサベル(姉)、アンヘル(弟)の2児を生むが、やがて離婚。子どもを育てるためにサンティアゴへ出て歌う。1953年頃から各地を回って民謡を採譜、ノーベル賞詩人の故パブロ・ネルーダの家で発表会を開いたりしたが、1954年には最も優れた民謡歌手としてカウポリカン賞を受賞。1955年ごろ初めてヨーロッパに渡り、チリ音楽の紹介につとめ、1962年および63〜65年にも渡欧してパリに滞在、各国で絶賛される。1968年2月、チリの自宅で孤独な死を遂げた。作品には「人生よありがとう」「愛して何を得たかしら」などの名作が多い。
参考文献:永田文夫著『世界の名曲とレコード ラテン・タンゴ・フォルクローレ』誠文堂新光社、1977年。