月日のうつろひ 2008. 1
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1月1日 (火)  2007年を振り返って

昨年2007年1年間の主たる音楽活動を抜粋・回顧します。

★ボリビアでの「マエストロ認定状」授与

2007年は7月〜9月の期間、ボリビアに滞在しました。今回の一番大きな目的は、7月23〜27日の5日間にわたり開催された「第6回国際チャランゴ・フェスティバル」出演でした。同フェスティバルは、ボリビア・チャランゴ協会(SBC)の主催で2年おきにボリビアで開催される世界最大のチャランゴイベント。その機会に、現役奏者最高位の認定状である「マエストロ・ディプロマ」をボリビア共和国政府とSBCの名で授与されました。非ボリビア人演奏家ではチリの名手で盟友でもあるフレディ・トレアルバさん(01年授与)に次いで2人目、このディプロマの審査に通ったことで「チャランゴ道」を歩む者としては改めて気が引き締まった思いでした。今後とも日本のみならず世界のチャランゴ界のためになすべきことが山積みであり、そのための新しい出発点に立った気持ちです。

★ライブプロデュース活動(神田PASATIEMPO)

DAIJITO音楽プロデュースによるラテンアメリカ各国のミュージックライブを、神田の新しいラテンバー「PASATIEMPO」で定期的に開催しました。中でも2月17日出演の日下部由美さん(パラグアイ&ベネズエラスタイルのアルパ奏者)ライブや3月18日のルイス・サルトールさんオン・ステージ、それからタンゴのバンドネオン奏者小川紀美代さんライブの際には僕も共演者としてギターやクアトロ(日下部さんライブ)、チャランゴ(ルイスさん、小川さんライブ)で参加、普段なかなか共演する機会のない素晴らしいアーティストの方々と楽しい時間を共有できて幸せでした。

(注;PASATIEMPOは2008年より、ライブおよびその他イベント予約時のみに利用者に開放される「PASATIEMPO〜自由な空間」という営業スタイルになりました。今後とも演奏者やファンの方々にはよろしくご愛顧お願いします。)

★他の日本人アーティストとの初共演

2007年は(先述のPASATIEMPOライブ企画もそうですが)今までになく日本で活躍中のプロアーティストの方々との初共演が目立った嬉しい年ともなりました。そのうちのいくつかを記します。

@2月3日ブリヂストンホールで開催の「木下尊惇フォルクローレユニット・コンサート(ボリビアの歴史と音楽)」は、この世界では大御所の木下氏との初共演であったばかりでなく、菱本幸二さん(ケーナ、シーク)、橋本仁さん(ケーナ)、クラウディア菱本さん(ヴァイオリン)といった長年の仲間とのセッションで、ボリビア音楽にたいするそれぞれの思いを共有できた素晴らしい瞬間でした(なお、同セッションは7月に飯能市でも公演)。

Aいつもギターをやっていただいている小林智詠さんが星衛さん(チェロ)、伊藤アツ志さん(パ−カッション)と組んでいるユニット「ビブラビトリオ」と4人でのセッションコンサートを、1月13日(築地CUBANCAFE)および3月2日(富山県新川文化ホール)に開催、様々なジャンルで経験を重ねてきた演奏家のみなさんとの興味深いフュージョンを堪能できました。

B11月10日には北軽井沢の「パンカーラ」で大ベテランのケーナ&サンポーニャ奏者・菅沼ユタカさんに招待いただき初共演、こちらはボリビアのペーニャ(音楽酒場)を再現するというコンセプトで「ボリビア人もびっくり!」と言えるくらい見事な盛り上がりとなったことも忘れられない想い出になりました。

★世界舞踊祭技能賞受賞
 
3月3〜4日に東京・赤坂区民ホールで開催された「世界舞踊祭2007」にボリビア大使館推薦枠で客演(インストのみ)、同舞踊祭技能賞を受賞しました。日本や韓国舞踊からハンガリー舞踊まで、本当に多彩な国々のダンスをやっておられるサークルが日本全国に存在することを知り、舞踊の世界には疎い自分には新鮮な驚きでした。

★エボ・モラレス大統領御前演奏

3月5日、ボリビア共和国大統領として初来日したエボ・モラレス氏の歓迎レセプションで演奏しました(ギターの小林智詠氏と)。南米初の先住民(=ラテンアメリカの大多数を占める貧困層)出身の大統領として世界的に話題になっている人でもあり、個人的には政治思想的にもかなり親近感をいだいていたのでこのような機会はとても嬉しく、招待下さった東京の駐日ボリビア大使館にはお礼の言葉もありません。演奏後にCD「チャランゴ巡礼」もエボさんに献呈しました!ボリビアの国政はその後も与党と反対勢力の間でますます揺れていますが、その行方についてはボリビア国民の方々の良心を信じるしかありません。

★関西ソロライブツアー

2年ぶりに関西で単独ライブを行いました。6月16日には以前にも2回(03年と05年)ほど演奏した大阪「プカソンコ」、同じ日の夜に僕の実家がある大津市日吉台(滋賀県)、および翌日には琵琶湖ホテル(同)で演奏しました。プカソンコではジプシー音楽などを得意とする関西きってのバイオリニスト熊澤洋子さんをゲストにお迎えし、また、ボリビア研修から帰ったばかりのチャランギスタ安達満里子さんにも加わっていただきました。3公演ともギターはいつもの小林智詠氏、そして兵庫県在住の新進ビエントス(ケーナ&サンポーニャ)奏者の神田哲拓さんにも出演していただき賑やかでバリエーションに富むツアーとなりました。

★ベネズエラからの来日グループとの共演

10月20日(仙台市)および同23日(東京・築地CUBANCAFE)の2回、ベネズエラから初来日のグループ、エレイレ・コン・ホタ(R y R con J)のコンサートにゲスト出演しました。リーダーのラファエル・ブリート氏は現代ベネズエラ音楽界を代表する新しい世代のクアトロ奏者、他メンバーの吉澤陽子さん(ベネズエラアルパ)、ロベルト・コッホさん(コントラバス)、ホセ・ペレスさん(マラカス)も現地ではよく知られた名手で、セッションおよびアフターで酒を酌み交わしての交流場面は計り知れないほど有意義な経験になりました。早くも再来日が予定されているので、またの共演が楽しみです。

★「CHARANGO PEREGRINO(チャランゴ巡礼)」第2版完成

2005年9月(ボリビア)および2006年2月(日本)に発表しましたソロCD「チャランゴ巡礼」、おかげさまで予想以上のご好評をいただき初回プレス1000枚が品切れとなったため、秋に第2版を製作・発売しました。音源そのものはまったく同一ですが、ブックレット(24ページ・オールカラー)の方はやや厚めの高級紙を使用し、印刷トーンもツヤ消しで初版とは雰囲気の異なる落ち着いたものになりました。これからもチャランゴを愛する世界中の多くの人々の手にわたっていってほしいと願っています。

※とまあ昨年もいろいろと貴重な経験ができましたが、何はともあれこれらは日頃から直接間接に応援して下さっているみなさんのお力あってこそだと感じています。これからもチャランゴの魅力を広く伝えて行きたいと思いますので、今後とも叱咤激励よろしくお願いします。


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