月日のうつろひ 2009. 2
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2月22日 (日)  ノチェーロに高橋易宏氏を迎えて

仙台からケーナの名手・高橋易宏さんをお招きして
開催した昨夜21日(土)の六本木ノチェーロも
盛況に終えることができました!
マイミクの方々にも何人も来ていただき
感謝感謝!です。

ノチェーロさんからは
昨年あたりからけっこうコンスタントに
活動の場をいただいており、
毎回なんらかの趣向をこらそうと考えています。
小さい会場なので正直、
採算はなかなか厳しいところなんですが(涙)、
そんな中で今回東北からわざわざ来てもらい、
「持つべきものは友!」という思いを熱く感じた、
もちろん演奏内容も情熱的なもので感動的な夜でした。

高橋師匠のケーナはなんというか、
ネオ・フォルクローレ全盛期であった70年代
ボリビアそのまんまの「音」!、
そういう美意識と迫力で満ちており、
日本ではもちろん、
本国ボリビアでも今やけっこう珍しい、
貴重なスタイルです。

最近のケーナ(いやいやチャランゴなど他の楽器にも
同様に言えることですが)の演奏スタイルは
時代とともに洗練されてきていて
小技なんかもいろいろ入ってきて、
それ自体にはポジティブさももちろん認められると思いますが、
全般には、ストレートに荒削りでもそのままの情熱をぶつける
タイプの奏者が減ってきています。
時代の流れというか、変に「西洋音楽化」されたというか・・・。

あるいは(これは主に弦楽器に言えることですが)、
お隣の大国ブラジルのポピュラーミュージック(特にボサノバ)に
過度に影響され、
結果、ボッサの表面的な「かっこよさ」「お洒落さ」のみを
無批判にボリビア音楽にとりいれた、
軽率な演奏があまりにも目立ちすぎている印象があります。
(←言葉はきついですが・・・。)

そう言いながら、僕自身もボリビア在住時は
数々の「フュージョン系バンド」にも参加し、
それはそれで素晴らしい経験だったのですが、
今日本で数年暮らしてみて、
外側からボリビア音楽をより客観的に、
より冷静に見ることが出来始めて来たような気がします。

ボリビア音楽界がそのような状況の中で、
昨夜は盟友ホセ犬伏氏(ギター)も一緒に、
ただ単にタイムスリップを求めるのではなく、
「あの時代」の活き活きとしたボリビア・
インストミュージックの価値を再認識してもらおうと
プログラムを組んだつもりです。
その評価は聴いてくれた方々に委ねるしかないです。


2月20日 (金)  懐かしのチャランギスタ・ホルヘ・イマーニャ氏

日本でチャランゴを弾く人も、
ホルヘ・イマーニャという名前はほとんど
ご存じないかと思います。
でも70年代にこの音楽を知った先輩方の多くは
記憶にとどめておられるのでは?
・・・そう、あのケーナのアントニオ・パントーハ(故人)の
チャランゴ奏者として2度来日もし、
レコーディングもたくさん残している方です。

全国的な「フォルクローレブーム」の当時は
日本でも熱狂的なファンがいたと聞いていますが、
僕は小学生だったのでまだチャランゴの存在すら
知らない頃でした。

現在60歳前後とみられるマエストロ・ホルヘ氏とは
一昨年のボリビア(エルアルト市)での国際チャランゴ祭で
初めて知り合いました。
その後は何も連絡とりあわなかったのですが、
なんと昨日急にメールをいただき感激しました!

ホルヘさんは生まれはボリビア・ラパス近郊ですが、
若いころからずっとブエノスアイレス(アルゼンチン)に
住んでいるのでボリビアではあまり知られていない人です。
当時(70年代)はよりよい機会をもとめて
たくさんのボリビア人音楽家がアルゼンチンに出稼ぎに行って
結果「アルゼンチン・アーティスト」として定住したようです。

日本でそのころ知られていた最初のチャランギスタといえば、
このホルヘ・イマーニャさんと、
レネ・カレアーガ(コンドルカンキのリーダー)、
それに巨匠中の巨匠ハイメ・トーレス、
いずれもブエノスアイレスを本拠地とする音楽家でした。

このうち、前2者は生粋のボリビア人、
僕の最大の恩師でもあるハイメ氏もアルゼンチン生まれながら
ボリビア人の親を持っており、
やっぱり南米の大国であるアルゼンチンでも
チャランゴの普及には有名無名の在亜国ボリビア人音楽家の存在・
活躍が欠かせなかったと言えるでしょう。

とりあえずはホルヘさんから送られてきた
Youtubeのビデオアドレスをここに掲載しておきます。
チャランゴの面白い「曲芸」で、
これはなんと僕(当時中学2年生)にとって
初めてのこのジャンルのコンサートとなった
アントニオ・パントーハの最後の来日公演(1980年)で、
ホルヘさんの後継ぎであった若き日のルイス・サルトールさんの
演奏で目の当たりにし、たいそうショックを受けたものです。

そのルイスさんもだいぶ以前から日本在住、
しかも前回の日記に書いたとおり、
今は同じ町内に住む「隣人」、
まったく人の縁って不思議なもんです!

(↓ホルヘ・イマーニャ氏の映像)
http://www.youtube.com/watch?v=Akue5DJRD4k
※アヤシイ路上ライブであまり画質・音質は
良くないですが・・・。


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